アジア

微笑みの国タイで大都会の活気と厳かな仏教文化に触れる!

旅行が一番の趣味と公言している私ですが、以前はもっぱら国内旅行を好み、友人に誘われるなどのきっかけがないと海外まで出向くことはありませんでした。

そんな私を海外旅行好きに変えてくれた国が、今回ご紹介する“微笑みの国”ことタイです。

東南アジアの中心に位置し、国土面積は約51万4000平方キロメートル(日本の約1.4倍)で、ミャンマー・ラオス・カンボジア・マレーシアと国境を接するタイ。

東南アジアでは唯一植民地支配を受けることなく、長い王朝の歴史を刻むことになったこの国に暮らす人々は、今なお国家元首たる国王を敬愛するとともに、その9割以上が敬虔な仏教徒として、穏やかな笑顔をたたえながら暮らしています。

今回はそんなタイの首都・バンコクを訪れた際の旅行記をまとめましたので、是非お付き合いください^^

バンコク&アユタヤでタイの歴史と文化に魅了される

1782年にラーマ1世によってこの地へ遷都されて以来、タイの政治・経済・教育・文化の中心であり続ける都市・バンコク

この地には美しく荘厳な王宮や仏教寺院が、幾つも密集しています。

最も“バンコクらしい”景色と雰囲気を味わえる王宮周辺のチャオプラヤ川沿いを移動して訪れたのは、タイで最も格式が高く、エメラルドの仏像が本尊である寺院「ワット・プラケオ」

寺院…といってもその外観は日本のものとは全く趣を異にしており、鮮やかな金色で彩られた仏塔に、圧倒されてしまいました。

“エメラルド寺院”という呼び名のイメージにも、ピッタリだと感じます。

なお敷地内に咲いている花は、平家物語に記された“祇園精舎の鐘の声…”に続くフレーズでお馴染みの、「沙羅双樹」とのこと。

ただその見た目は勝手に抱いていたイメージとは余りにもかけ離れ、かなりビビッドで毒々しさすら感じさせるものであり、結構な衝撃を受けたのでした^^;

その他にも巨大な涅槃像を祀る「ワット・ポー」や、三島由紀夫の小説「暁の寺」のモデルとして描かれた「ワット・アルン」へ。

タイの人々の仏教の教えに対する想いに触れながら、やはり「同じ仏教の寺院でも、ところ変わればこうも趣が違うのか」という新鮮な驚きに、心を捕えられます。

私は日本の“侘び寂び”の文化がとても好きですし、素朴なたたずまいのお寺を訪ねると心が洗われるようで落ち着きますが、ここバンコクで見られる煌びやかな仏教寺院の建築物も、本当に素晴らしいと感じましたね。

普段自分が身を置く場所とは全く異なる文化に触れ、その魅力に心動かされながら、改めて自国の文化の価値にも気付かされるー。

そういった経験を与えてくれるのが、海外旅行の良さ・面白さと言えるでしょう。

さて次の日は少し足を延ばし、1351年にウートン王によって建都されてから1767年にビルマ軍の攻撃で破壊されるまでの417年間、アユタヤ王朝の都としてタイの中心であり続けた都市「アユタヤ」へ。

このアユタヤが私の心の琴線に触れまくり、「もっと色んな国に行ってみたい」と考え始めるきっかけの場所になりました。

かつて栄華を極めた古都の壮大な歴史が眠る遺跡の街、アユタヤ。

当時の姿を今に伝える荘厳な遺跡群は歴史公園として整備されており、1991年にはユネスコ世界遺産にも登録されました。

長い年月ののち木の根で覆われてしまった仏像の頭が残る「ワット・マハタート」をはじめとして、アユタヤの遺跡は王朝の繁栄ぶりを偲ばせる壮大なものではあるのですが、そこここに時間や歴史による“傷跡”のようなものが見られ、その様子が更に観る者の心を揺さぶります。

ビルマ軍の侵攻時に破壊された首のない仏像が並ぶ様子などは、痛ましい限り。

とはいえ歴史・遺跡が大好きな私にとって、アユタヤの光景は余りにも鮮烈なものであり、大変な感動に包まれながらそれらを眺めていると、横にいた日本人の方が「アユタヤがそれほど気に入ったのならば、いつかカンボジアにも行ってみると良いよ」と伝えてくれました。

その言葉どおり、数年のちにはカンボジア旅行にも出かけたのですが、そのときの話はまた別の機会に…。

話を戻しまして、アユタヤの地では1357年にアユタヤを建都した初代ウートン王がセイロン(現スリランカ)に留学している修行僧たちの瞑想のために建てた寺院「ワット・ヤイチャイモンコン」も見学しました。

同寺院の巨大な涅槃像は、ストⅡに登場するサガットのステージさながらでしたね。

実際に、ワット・ヤイチャイモンコンがモデルになっているのかな?

そうそう、アユタヤでは“象乗り体験”にもチャレンジしました。

とても楽しかったのですが、そのあと道で一息ついているときに、無数の蟻が足の甲にむらがり悲鳴を上げたことが、強烈な思い出として今も残っています。

それにしても、アユタヤの遺跡は素晴らしかった…。

タイ好きの友人にそう伝えたところ、バンコクから北へ約440キロメートル、タイ北部の南端に位置する古都「スコータイ」も絶対好きなはずだと言われたので、いつか訪れてみたいですね。

大都会・バンコクの賑わいに圧倒される!

壮麗な寺院や遺跡群とともに私を驚かせたのが、バンコクの“大都会っぷり”です。

タイというと、何となく熱帯の植物が生い茂る様子や素朴な暮らしを送る人々…といったイメージを抱く方も少なくないようですが、今回私が訪れたバンコクは“東南アジアのハブ”と称される先進的な国際都市へと成長を遂げており、モダンな高層ビル群や巨大なショッピングモールの数々が所狭しとひしめき合っています。

日本で言うところの、東京や大阪のような街並みですね。

しかし少し中心部を外れたり小さな路地に歩を進めたりすると、屋台などの味わい深い風景が広がっていたりもして、そこに生活する人々の息遣いを感じることができました。

ふと立ち寄った市場のような場所では、若い女性店員に勧められ、せっかくだからとタイ古式マッサージを受けることに。

受付と施術場所が違い、市場の端にある部屋の奥からタトゥーを施した屈強な見た目の男性店員が出てきて、いきなりマットの上に「ネロ(寝ろ)」と言われたときは驚きましたが、マッサージはとても気持ちよく、男性店員もよく笑う気さくな方で、旅の疲れを癒すことができたのでした。

また他の市場では、とてもイケメンの男性がレジの応対をしてくれたので、“あなたはすごくカッコイイですね”と英語で伝えたところ、商品を値引きしてくれましたね。

他意はなく伝えたのですが、もしかすると値引き交渉のためにお世辞を言ったと思われたのかも知れません…。

ともあれ、現地の方とのちょっとした交流も楽しい、バンコク街歩きでした。

今この文章を書きながら改めて考えていたのですが、タイは私の友人間で一番人気が高い観光地の一つである気がします。

何度も繰り返し訪れている友人が、何人もいますね。

その友人たちは現地の子どもとサッカーをして遊んだり、象使いの資格を取ったり、安いのに質が良いということで衣料品を買い込んだりと、通常の観光よりもディープにタイの魅力を堪能しているようです。

確かにタイという国においては大都会の中にも仏教文化が息づくなど、古今の歴史と文化が見事に調和しており、多面的な魅力をたたえていることから、訪れる人がそれぞれの楽しみ方を発見できるのかなという気がします。

そしてひとたび心を掴まれると、この国のことを“もっと知りたい”という衝動に駆られ、気付けば何度も足を運んでいるのかも知れません。