以前の記事で、多民族国家・シンガポールの外国人街についてご紹介いたしましたが、今回は「マリーナ・ベイ地区」に焦点を当て、その魅力をお伝えしたいと思います。
1970年代に始まった土地再開発事業によって、奇跡的な変貌を遂げてきたマリーナ・ベイ地区。
同地区には、天高くそびえる「マリーナ・ベイ・サンズ」や、ドリアンの形状で親しまれる「エスプラネード」など、シンガポールを象徴する建築物の数々が立ち並んでいます。
人気のレストランから楽しいレジャースポットまで、最新の流行も勢ぞろいするこちらのエリアにおいては、具体的にどのような体験ができるのでしょうか?
シンガポールを象徴する総合型リゾート「マリーナ・ベイ・サンズ」
まずはシンガポールの象徴的なスポットとして人気を集める、随一の5つ星総合型リゾート「マリーナ・ベイ・サンズ」についてまとめてみましょう。
マリーナ・ベイ・サンズ(Marina Bay Sands)は、建築家のモシェ・サフディによって設計され、2010年4月に開業しました。
建物内には世界一流の会議・展示場施設をはじめ、豪華ホテルや象徴的なアートサイエンス・ミュージアム、ラスベガス・スタイルのカジノ、バラエティに富んだショッピング施設やレストランの数々が網羅されており、画期的なエンターテイメント施設として、訪れる者を大いに楽しませてくれます。
特に有名な施設は、空中200メートルに夢のようなインフィニティプールや展望デッキを備えた史上例を見ない屋上庭園「マリーナ・ベイ・サンズ・スカイパーク」でしょうか。
もう随分前になりますが、SMAPが登場するソフトバンクのCMで紹介され、日本でも話題になりましたね。
残念ながらインフィニティプールを利用できるのはホテルの宿泊者のみですが、そうでなくても屋上庭園の一部にアクセスすることは可能。
私もシンガポールの街を一望したいと考え、足を運んでみました。
しかしながらいざ屋上に立ってみると、余りの高さに足がすくみ、腰が抜けたような感じになって、リラックスして景色を楽しむ余裕はありませんでしたね^^;
私に少々高所恐怖症の気があることは否めないものの、それ以外の方も多少の恐怖心は抱くと思うのですが…。
どうなのでしょう?
もちろん、スカイパークからの眺望自体は素晴らしかったです。
屋上から降りた後は、ショッピングやグルメを堪能。
日本にはない注目のブランドなども出店しているので、ついつい財布の紐が緩みます。
また建物内を走る水路や、海上に浮かぶようにして佇むルイ・ヴィトン・アイランドなど、店の作りを眺めるだけでも楽しいですね。
自然に触れたいときは建物の外に出て、101ヘクタールに広がる「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」に立ち寄るのもおススメ。
緑豊かな庭園の中にそびえるスーパーツリー・グローブから、壮大な景色を心ゆくまで眺めることができます。
庭園でありながら、どこか違う惑星を散策しているのではないかと錯覚してしまう、独特の作りは必見。
子どもたちを水遊び場ではしゃぎ回らせることができるチルドレンズ・ガーデンなども備えているため、家族皆で楽しめること請け合いです。
街全体が巨大な遊園地のよう…!
シンガポール市内の絶景を楽しみたいときに打ってつけの、摩天楼の中にそびえたつ一味違う観覧車「シンガポール・フライヤー」にも乗ってみました。
繁華街マリーナ・ベイの中心部に位置するシンガポール・フライヤーは、現時点でアジア最大の観覧車。
最高到達地点は165メートルにもなり、42階建てに匹敵する高さから眼下に広がる壮観な眺めは、感嘆の一言です。
空調を完備するカプセル28台のカプセルは、何と全てが“ガラス張り”。
乗り込めば、昼も夜も美しい景色を望める30分間の旅が始まります。
シンガポール川、ラッフルズ・プレース、 マーライオン公園、エンプレス・プレイス、パダン…。
運が良ければ、 チャンギ空港やセントーサ島 、マレーシアやインドネシアの一部なども見付けることができるとか。
なるほど360度の大パノラマは圧巻なのですが、私はここでも想像以上の高さに腰が抜けてしまい、カプセルの床を這うようにして震えてしまいました(笑)
共に乗り合わせた中国人の女性グループがカプセル内をはしゃぎまわって歩くのが、また怖い。
そんな私の姿を見て、一人旅の途中だというロシア人美女も大笑いしています。
とはいえこのような体験ができる機会も、中々ありませんからね。
やはり、足を運んでみて良かったです。
ちなみにシンガポール・フライヤーでは、美味しい食事やカクテル・シャンパンなどを空中で堪能できる、特別パッケージも用意されているそう。
こういったプランも、旅の良い思い出になりそうですね^^
続いては場所を移し、マリーナ・ベイ地区の陸側に位置する「マーライオン公園」を訪れます。
上半身がライオン、下半身は魚という姿のマーライオンは、シンガポールの国家的象徴。
その頭部が“シンガポール”と呼ばれることになった元の名前「シンガプーラ」(マレー語で「ライオンの町」)を表していることを考えても、この地とは切っても切り離せない存在です。
地元の彫刻家リム・ナン・センによって作られたマーライオンは、シンガポールを訪れるあらゆる人々を迎えるべく、時の首相リー・クアンユーによって1972年にシンガポール川河口で除幕式が行われ、初披露されました。
しかし1997年にエスプラネード・ブリッジが完成すると、ウォーターフロントからその姿をはっきり確認できない事態に。
そこで2002年に元々あった場所から120メートルほど移動され、現在はフラトンホテル正面のマーライオン公園に、マリーナ・ベイを見渡すようにして立っていますね。
公園には、小さなマーライオン像も。
この本家マーライオンと小マーライオンは、シンガポールに7つある公認マーライオン像の中で、最も有名なものです。
マーライオンの周辺は、各国から訪れた観光客で大賑わい!
多くの方が、遠近法を駆使したユニークな写真の撮影に注力している様子でした。
広いマリーナ・ベイエリアを見渡すマーライオン公園からの眺めも、素晴らしいもの。
スカイラインに立つマリーナ・ベイ・サンズをはじめとする代表的な建築物の数々を、バッチリ写真に収めることができます。
楽しそうに過ごす旅行者の方たちの様子も含めて、マーライオン公園は非常に観光地らしいスポットと言えそうです。
なお地元の知人に連れられて、シンガポールで働く金融マンたちが集う、近隣の高層ビル内にあるバーにも足を運んでみました。
バーの窓からは、マリーナ・ベイ・サンズをバックに展開される水と光のシンフォニーを堪能できるショー「SPECTRA」の模様を、余すことなく目にすることができます。
多様な噴水技術とコンピュータ制御されたLEDに彩られる、まるでSF映画に入り込んだかのような近未来のパフォーマンスを眺めながら、街全体が巨大な遊園地と称しても過言ではない、シンガポールという国の面白さを再確認するのでした。
ローカル色の濃い外国人街の数々にも心惹かれますが、マリーナ・ベイ地区がたたえる洗練された雰囲気もまた、シンガポールの大きな魅力の一つです。
このように対照的な景色が混在しつつ、多彩な顔を見せながら訪れる者を迎えてくれるという点は、多民族国家ならではの特色かも知れません。
シンガポールを旅行する際には、是非とも様々な角度から、この地の良さを見つめてみてください。