ヨーロッパ・アメリカ

世界一美しい都市プラハはまさに建物の博物館!

ドイツ・ポーランド・オーストリア・スロバキアと国境を接する中欧の内陸国であり、その位置から“欧州の中心”とも言われる「チェコ共和国」

1993年にチェコスロバキアが分離して誕生した同国は、治安が良く、またおとぎの国に迷い込んだかのような美しい町並みを堪能できる、人気の観光スポットです。

以前の記事では「テルチ」「チェスキー・クルムロフ」に焦点を当てましたが、今回はチェコの首都であり、世界で最も美しい都市の一つとも称えられるユネスコの世界遺産「プラハ」を訪れた際の旅行記をまとめ、その魅力に迫りたいと思います。

圧倒的な美しさを誇る街、プラハに到着!

チェスキー・クルムロフを発った私は、その日の夜、プラハに到着しました。

今晩泊まるホテルは、共産主義時代からの古い建物を利用しているそう。

足を踏み入れると、何とも雰囲気のある空間が広がっており、一瞬にして心を奪われます。

奥へ奥へと連なる、巨大なレッドカーペットも好み。

何となく、映画「シャイニング」に登場するホテルに似ている気がしますね。

部屋に入って荷物を置いた後は、先ほど観光バスの車窓から見えたスターバックスを目指して、ホテルの前の通りを上がっていくことにしました。

自分の中でレアな国を訪れた際には、その地のご当地タンブラーを買い求めるというのが、私の旅の習慣です。

歩いた道が市街地の大通りだったこともあるのでしょうが、夜と言っても、特段治安が悪い印象は受けません。

ほどなくして目を付けていたスターバックスに到着し、無事に地域限定デザインのタンブラーを発見!

現在は赤い色をしたプラハタンブラーも販売されていると聞きましたが、私がゲットしたのは緑色のチェコ共和国バージョンです。

抑えた色味とシンプルなデザインが大人っぽくて、良い感じ。

「スロバキアのタンブラーも買っておけば良かった」との想いを抱きながらも、満足してホテルに戻ったのでした。

さてチェコの北西部に位置するここプラハは、中世から時の流れを止めてしまったかのような素晴らしい街並みをたたえる、世界遺産の街です。

街が形成されたのは、14世紀のこと。

神聖ローマ皇帝となったボヘミア王のカール4世が都と定め、各国から一流建築家を招き、帝都と呼ばれるにふさわしい街の建設に着手しました。

到着時は夜だったのでよく分かりませんでしたが、高台からプラハの街を見下ろしてみて、今更ながらその類まれなる美しさに息をのみます。

どこまでも続く、赤茶色の屋根が映えるロマンティックな外観の建物に、ところどころから空に向かって伸びる荘厳な尖塔…。

さすがは「百塔の街」「千年の都」「建物の博物館」といった、数々の異名を持つ街です。

これまでに訪れたテルチやチェスキー・クルムロフにおいても同じような感想を抱きましたが、その景観はおとぎの国のようで、とても現実のものとは思えません。

何気ない街角の風景にも感動を覚えつつ、歴代のボヘミア王に神聖ローマ皇帝、そして現代の大統領の居城として千年の歴史を持つ「プラハ城」へ。

プラハが世界一美しい都市と呼ばれる所以である、チェコ共和国のシンボルとも言えるお城です。

9世紀に築かれた小さな砦をカール4世が大改修したプラハ城は、多くの建築物の集合体であり、その一つひとつが異なる様式で造られています。

それゆえゴシック・バロック・ルネサンスと一度に様々な建築様式を楽しむことができるのですが、その最大の名所はヨーロッパ随一の美しさを誇る、壮麗なゴシック様式の「聖ヴィート大聖堂」でしょう。

中へ入ると、まるで時が止まったかのような特別な雰囲気に身が引き締まるとともに、チェコ屈指のアール・ヌーヴォー画家アルフォンス・ムハの手による巨大にして美麗なステンドグラスに迎えられ、言葉を失うほどの感動に包まれます。

この地にまつわる様々な歴史に想いを馳せれば、更に感慨深いものがありますね。

ちなみに城を後にする際、一人の衛兵さんが任務を終えた様子で歩く姿を目にしました。

横にいた方が、これはラッキー、是非一緒に写真を撮ってもらいなさいと伝えてくれます。

そんなこんなで2ショットをお願いしたのですが、後から改めて写真を見直してみて、衛兵さんの凛とした佇まい、また整いまくった容姿に見惚れてしまいましたね。

やはり城を守る衛兵ともなれば、国の顔として恥ずかしくない方が選ばれるのでしょう。

見事な佇まいのカレル橋を渡る

プラハ城と並ぶ観光のハイライト、「カレル橋」にも足を運びました。

ヴルタヴァ川に架かり旧市街とプラハ城を結ぶカレル橋は、ドイツ人建築家の設計によって1402年に完成した、プラハ最古の石造りの橋です。

長さ約516m・幅約10mの橋の欄干には、30体もの聖人像がずらり。

日本にキリスト教を伝えたフランシスコ・ザビエルの像が、日本人にとっては一番馴染み深いでしょうか。

なおカレル橋は画家・写真家・詩人といった大勢の芸術家たちを魅惑し続けており、その姿は幾多の作品の中で、敬意をこめて表現されてきました。

そのことを証明するかのように、橋の上にはカレル橋をモチーフにした絵画を並べ、観光客にアピールする人々がチラホラ。

私は旅行先にて、その土地の観光スポットを描き出した絵画を買い求める習慣もありますから、数々の作品に注意深く目を落としていきます。

手に取ったのは、カレル橋の様子をポップに描いた小さなイラスト。

大作という感じではありませんが、カラフルな色遣いやキュートなタッチが気に入り、これを買い求めて旅の思い出としました。

ちなみにチェコの通貨は、チェココルナです。

ヨーロッパ連合に加盟している国ではあるものの、ユーロが通用しない場所が多いと聞いていたため、両替は入国時に済ませておきました。

チェコを訪れた際に併せて周遊した近隣諸国は、ユーロでOKだったと記憶しています。

とはいえチェコについても、観光客が多いプラハ市内の大きなお店などでは、基本的にユーロでの支払いも可能な模様ですね。

私が絵を買った個人の露天商の場合は、ユーロでの支払いは可、ただしお釣りはチェココルナになる…という具合でした。

その後、橋のたもとの方まで歩いていくと、甲冑を身にまとい、中世騎士のコスプレ(?)をしているストリートパフォーマーと思しき男性がいました。

こちらに向けられる人懐っこい笑顔につられ、少し言葉を交わし、一緒に写真を撮ってもらいます。

周辺の国々でも同じような方を何度か見掛けましたが、この辺りにはストリートパフォーマーが多いのでしょうか?

あちらから写真代を請求してきたケースはないけれど、観光シーズンは料金が発生する…といった話も小耳にはさみましたし(私がプラハを旅したのは真冬のオフシーズンです)、詳しいことは分かりません。

一方、ローマでは強引に写真を撮られて高額な代金を要求された経験もあるため、余り無防備すぎるのは危険ですね;

ただこのような交流があると、とても良い思い出になることは確かです。

プラハと言えば“プラハの春”というワードの印象が余りにも強く、一体どのような場所なのかと思いを巡らせていましたが、実際に訪れてみると、そこは期待以上に素晴らしい街でしたね。

素直に“美しい”と言える景観もさることながら、街のそこかしこから感じられる古き良きヨーロッパの雰囲気や、歴史の重みに魅了され、得難いひと時を過ごすことができました。