皆さんは毎年12月上旬より発売されている、「元日・JR西日本乗り放題きっぷ」なるものをご存知でしょうか?
こちらの切符は1月1日の元日限定で、JR西日本全線・智頭急行線の特急(新幹線を含む)・普通列車(新快速・快速含む)・普通車自由席及びJR西日本宮島フェリーが乗り放題になるという、夢のようなアイテムなのです!
年始めに鉄道を利用しながら楽しむ、西日本エリアの旅行に最適。
2021年はコロナ禍の影響か発売されませんでしたが、その年によって多少設定の変更が見られるものの、毎年取り扱いがありますね。
例えば2019年12月11日~12月30日の間に発売された「元日・JR西日本乗り放題きっぷ2020」の場合、おとな1名分の料金が普通車用で16,000円、グリーン車用で18,000円でした。
なお普通車用は普通車指定席、グリーン車用はグリーン車指定席または普通車指定席が6回まで利用可能です。
この料金でJR西日本全線を自由に行き来できるのですから、破格の安さと言えるでしょう。
こども料金は更にお得で、普通車用3,000円、グリーン車用5,000円。
家族旅行にもピッタリです^^
これは是非利用したいと思い、もう数年前になるのですが、乗り放題きっぷを駆使した「始発で行って終電で帰れば、西日本エリアをどれだけ見て回れるのか!?の旅」に繰り出してきました。
そのときの旅の模様を時系列で記しましたので、是非お付き合いください。
始発に乗って、まずは京都まで!
今回の旅の出発地は、鹿児島本線のとある駅。
鹿児島本線の始発に乗り込み、まずは福岡県の小倉駅まで向かいます。
ちなみにこちらの区間はJR九州管内であるため、乗り放題の対象外です。
小倉到着後、今度は山陽新幹線に乗り換えて、新大阪駅へ。
ほんのちょっとの追加料金でグリーン車に乗れるとあって、普段は絶対に利用しないのですが、今回の乗り放題きっぷはグリーン車用を買い求めました。
座席の横幅やシートの前後間隔が普通車よりも広い、新幹線のグリーン車。
リクライニング角度にも違いがあって、通常よりも深くシートを倒すことができます。
普通車に乗っていても個人的には全く不自由を感じないポイントではありますが、いざグリーン車を利用してみると、やはり快適です。
全席にコンセントが装備されているのは、かなり嬉しい。
おしぼりが配られるサービスも、新鮮でした。
そうこうしているうちに、新大阪に到着。
このまま最初の目的地である京都駅まで向かいたいところですが、新大阪より先はJR東海の東海道新幹線になるため、乗り放題切符が使えません。
そのため新大阪で一度電車を降り、京都までは特急はるか号を利用。
とはいえ普段私は新大阪-京都間を特急で移動することなどありませんから、一瞬にして京都に着いた印象ですね。
実際、始発に乗った甲斐もあり、京都駅には午前中のかなり早い時間に到着することができました。
周辺を歩く人もまばらで、「さすがの京都も、1月1日から歩き回る人はいないのかな?」などと考えながら、市バスで清水寺に向かいます。
清水寺で新年のお参りを済ませて坂を下って行くと、良い感じにお腹が空いてきました。
早朝のため営業しているお店がまだ少なかったのですが、何とか温かい食事にありつくことができて、ほっと一息。
しかし、まだ旅は始まったばかりです。
休憩もそこそこに、京都駅まで戻ります。
するとほんの1、2時間程度しか立っていないのに、京都駅の風景は様変わりしており、辺りは人でごった返していました。
先ほどは単に時間が早かっただけで、やはり元日の京都は大賑わいのようです。
またいつか同じような機会があっても、早朝に来よう^^;
京都を発ち、特急に乗って今度は大阪へ。
なんばに一度行ってみたい雑居ビルがあったため(笑)、そちらを見学したあと、続いては神戸を目指すことにしました。
せっかくなので新大阪-新神戸間も、新幹線を利用。
定期券を使うようにして新幹線を利用することができる、この手軽さが堪りません。
神戸では中華街に立ち寄り、ランチをいただきます。
う~ん、満足!
関西エリアは電車の本数が多いので、とても移動がスムーズです。
加えて京阪神の辺りには割と土地勘があるため、乗り換え時には小走りになりつつ、効率的に散策することができましたね。
同行者がいるとこうもいかないのですが、一人旅であれば自分のペースで自分の好きな場所を回れますから、気楽なものです。
そう考えると“おとな一人からでも利用OK”という乗り放題きっぷのルールは、大変ありがたいものと言えるでしょう。
瀬戸内エリアを巡る
新神戸から再び新幹線に乗り、今度は岡山駅で下車。
そこからマリンライナーを利用して、香川県まで行ってきました。
これに当たり新神戸の窓口にて「岡山から四国の坂出まで行く場合、乗り放題切符で追加料金は掛かりませんか?」と尋ねたところ、結構待たされた後に“掛からない”との回答をいただいたものの、坂出で普通に追加料金を請求されましたね(笑)
余り鉄道に詳しくないのですが、ちゃんと自分でどこからJR四国の管内になるのか、下調べしておくべきでした…。
とはいえ、このときに座った先頭車の運転室すぐ後方に4席だけ設置されている「パノラマグリーン席」なる座席が、本当に最高で!
運転席越しの素晴らしい展望を存分に堪能することができ、ここ数年で一番ではないか?というくらい大興奮してしまいました。
JR四国の職員さんにも丁寧にご対応いただき、追加料金を払ってでも四国まで足を延ばす価値はありました。
さて坂出到着後は、せっかく香川まで来たのだからうどんでも食べたいと思い、自動ではない改札口に新鮮さを感じつつ、駅の外へ。
しかし近隣のうどん屋さんは軒並み営業を終了しており、ただ一つまだ人がいらっしゃった食堂でうどんはないか尋ねてみても、「この辺は店が閉まるの早いから、この時間からうどんは食べられないよ…。ウチももう片付けまでしてしまったし。明日、また出直してみて」とのこと。
今から帰らなければならない旨返答すると、せめてうどん玉をあげようか?との有難い申し出までいただきました。
ただこれからまだ寄るところがあるとお伝えしたところ、お店の方が地元の特産品で作ったというアイスクリームをごちそうしてくださり、大感動!
他の記事でも何度か記していますが、四国の方は本当に優しい。
素敵な旅の思い出ができて、感謝です。
冷たいけれど心が温まるアイスクリームを食べたのちは、岡山駅まで戻り、周辺の元日バーゲンを物色。
岡山って、結構都会ですよね。
土産物なども見繕って新幹線に乗り、広島駅で最後の途中下車。
駅の周辺でお好み焼きを堪能し、一応“広島っぽさ”が感じられたことに満足しながら、小倉駅まで戻ったのでした。
小倉駅から鹿児島本線に乗り換えて、結局最終の一本前に当たる電車を利用し、早朝に出発した駅へ無事に帰還。
いや~丸一日使うと、結構色々な場所に立ち寄れるものですね(笑)
各地の見どころもさることながら、新幹線や特急を広いエリアで自由に乗り降りできるのが楽し過ぎて、最高のかたちで一年のスタートを切ることができました。
今度は同じ乗り放題切符にて、途中下車の旅ではなく、もっともっと遠くまで行ってみたい気もします。
南紀方面や、金沢など良いのではないでしょうか^^
しかし今回の旅は“一つでも多くのスポットを回りたい”との希望からくるバタバタ感も含めて、思い出深いものになりました。