日本最古の温泉とも言われる、愛媛松山「道後温泉」。
アルカリ性単純泉の湯質は、非常にきめ細やか。
日本人の肌に優しいなめらかなお湯で、刺激も少なく、湯治や美容に適しているそうです。
その湯質もさることながら、「道後温泉本館」の風情ある佇まいも、旅好き女子の心をくすぐるもの。
というわけで今回はもともと古き良き銭湯の文化や温泉地が好きな私が、道後温泉をはじめとする愛媛の観光地を訪れた際の旅行記を、今後旅する方の参考になればという視点も含め、まとめてみたいと思います。
女性一人でも訪れやすい、道後温泉の魅力
さて愛媛に向かうルートは幾つかありますが、今回私は旅の起点を大分県の別府に定め、宇和島運輸フェリーを利用して愛媛県の八幡浜に到着しました。
調べてみると別府⇔八幡浜は89km程度しか離れておらず、所要時間わずか2時間50分で、2つの温泉地を行き来できるのです。
料金も大人2等3,150円程度と超お手頃なのですが、船内は広く清潔で超快適!
到着時、もっと乗っていたいという想いすら抱いてしまいました(笑)
ただ八幡浜港から松山までが割と離れているため、どちら方面から向かうかにも寄りますが、到着後の移動を加味すれば松山観光港を経由する方が良いかも知れません。
松山観光港から道後温泉は、リムジンバス道後温泉駅前行きで約43分、タクシーで約25分。
一旦JR松山駅や松山市駅まで出てしまえば、伊予鉄道市内電車に乗り、25分程度で到着します。
市内を走る路面電車も割と本数がありますし、このアクセスの良さには正直驚きました。
コンパクトに観光エリアを回れるというのは、嬉しいポイントですね。
中心部に近い温泉なので、人目のないような場所を移動することがなく、女性の一人旅にも向いている印象です。
加えて移動時にちょくちょくお店を物色してみたところ、愛媛のお土産は可愛いものが多い!
みかん味のお菓子や飲み物などはパッケージがオシャレな上に、シンプルに美味しく、色々と買いあさってしまいました。
その後、いよいよ道後温泉駅に到着!
レトロな駅舎が、良い雰囲気です。
更に駅から道後温泉本館まで続くアーケード商店街「道後ハイカラ通り」を歩くのが、また楽しい^^
広く明るい商店街の中を愛媛・松山のお土産や名産・地元の味を楽しみながら歩を進め、気付けば道後温泉本館前に至っているという感じで、このあたりも女子旅向きだと感じました。
みかんジュースの飲み比べをしたり、オシャレなカフェで一息ついたり。
楽しい時間が、ゆったりと流れていきます。
人力車を引いていた男性によると、道後温泉は楽天トラベルの「ココロ潤う。おんな一人旅に人気の温泉地ランキング」にて、5年連続の第一位に輝いたこともあるのだとか。
実際に現地を訪れてみて、その結果にも納得!
なお人力車の料金が他の観光地に比べて割安だったため、こちらを利用して周辺を案内してもらいましたよ^^
3つの施設を巡って温泉を堪能!
商店街を抜けると、正面にずっと訪れたかった「道後温泉本館」が現れます。
こちら道後温泉本館は日本最古と言われる道後温泉のシンボルであり、「神の湯」に代表される温泉施設です。
日本の公衆浴場として初めて国の重要文化財に指定されながら、博物館化せずに現役の公衆浴場として営業を続けているという点が、道後温泉本館の魅力。
2009年に発行されたミシュラン・グリーンガイド・ジャポンにおいても、最高位となる三つ星を獲得しました。
その外観は映画「千と千尋の神隠し」に登場する、「油屋」を思わせます。
実際、モデルの一つという話もあるそうですね。
ちなみに道後温泉本館は平成31年1月15日から、営業しながらの保存修理工事に着手しているところ。
1階にある神の湯での入浴は可能ですが、休憩室を備えた2階以上は休館しています。
さらに平成31年2月1日からは北側の入口から入館し、入浴のみの営業になるのだとか。
その後の営業がどのように行われるかは分かりませんが、全館が通常モードで動いている際に訪れた場合には、是非プラス料金を払って休憩室なども利用してみてください。
プラス料金自体がそう高くありませんし、趣ある館内を更にじっくりと見て回ることができる上、風呂上がりに畳の上で一息つく時間は至福です^^
やはり道後温泉の魅力はお風呂自体に加え、本館建物の風情によるところも大きいと感じます。
昔ながらの温泉施設でいただくお湯は、本当に格別ですね。
本館の窓からゆるりと温泉街の様子を眺める時間も、心を癒してくれます。
なお実際に入ってみた感想をお伝えしますと、道後温泉の湯質自体はサラリとしており匂いもきつくなく、余り癖がないなという印象でした。
アッサリしているので、苦手と言う方はいないのではないでしょうか?
お湯の温度は、少々“熱め”な気がします。
ちなみに18本の源泉から汲み上げられるお湯は20度から55度の温度で、源泉と源泉をブレンドすることによって42度程度の適温を保っており、加温や加水は行っていないため、源泉の効果を十分に感じることが可能になっているそうですよ^^
さて、そんな道後温泉には本館の他にも、「道後温泉別館 飛鳥乃湯泉(あすかのゆ)」や「道後温泉 椿の湯」といった温泉施設があります。
飛鳥乃湯泉は2017年12月26日にグランドオープンした新しい施設で、飛鳥時代の建築様式を取り入れた湯屋がコンセプトです。
中は伝統的な様式を踏襲しながらも現代アートのようなオシャレさが加わっており、貸浴衣もセンスが良く、個人的にはとても好みでした。
浴室では“太古の道後”をテーマに、道後温泉にまつわる伝説や物語を愛媛の伝統工芸と最先端アートのコラボレーションで表現した演出がなされるなど、新たな温泉文化が発信されている点も面白いですね。
オープンしてまだ数年ということもあり館内はとてもキレイですし、若い女性が一人で訪れるにも、最適な施設だと感じます。
本館を訪れるにしても、併せて飛鳥乃湯泉まで楽しむと良いのではないでしょうか。
約60畳の「大広間休憩室」ではスタッフの皆さんが笑顔で迎えてくれて、心ゆくまで道後を満喫することができました!
一方で椿の湯は、古くから続く町の銭湯のような雰囲気。
聞けば椿をシンボルとした松山市民の“親しみの湯”として多くの人々に愛されており、今でも生活に欠かすことのできない公衆浴場として機能していると言います。
観光地然とした施設より、地元の空気に溶け込みながら温泉を楽しみたいという方には、椿の湯が好まれるでしょう。
とはいえ3つの施設は徒歩ですぐ行き来できる距離ですから、全てに足を運び、それぞれの魅力を味わうのも良さそうですね^^
そんなこんなで愛媛の旅を満喫し、帰りは松山・小倉フェリーを利用して福岡県北九州市の小倉港へ向かいました。
こちらのフェリーは夜に出て早朝に到着する便ですが、一番安い二等にも女性専用のフロアがあり、そちらがほとんど貸し切り状態であったため、快適に利用することができましたね。
さて今回の旅で愛媛を巡ってみて印象的だったのは、観光地の素晴らしさやアクセスの良さもさることながら、地元の人々がとても親切で優しいということ。
女性一人旅でも現地の人々とのおしゃべりを楽しみながら、素敵なひと時を過ごすことができました。
これまでに何度か他の県も訪れていますが、四国の方は良い方がすごく多い気がします。
愛媛も含めて、もっと四国を掘り下げていきたいところです。