日本全国・47都道府県の全てを観光して回った私ですが、46番目に訪れた県が「高知県」でした。
47番目の沖縄県はわざと残していたため、“全国制覇”に際して実質最後に足を運ぶこととなったのが、高知県というわけです。
かねてより興味はありながら、私が住んでいる場所からは余りアクセスが良くなくて、適当なパッケージツアーも見当たらない…。
気付けば完全に旅行の機会を逸していたものの、香川の友人が結婚式を挙げることになって四国に行く用事ができたため、高知県まで満を持して足を延ばしてみました。
期待以上に魅力的な高知の街!
実際に調べてみると、香川→高知間のアクセスもすごく良いというわけではなかったのですが、このチャンスを逃すまいとスケジュールを立てる私。
最終的には結婚式の翌日に香川から高速バスに乗り、高知を目指すことにしました。
当日の朝は準備に時間が掛かって危うく予定のバスに乗り遅れるところだったのですが、タクシーの運転手さんがベストルートをチョイスしてくれた上、手荷物の多い私に先んじて自らバス停まで走って行ってくれて、無事高速バスに乗車。
あの時にしっかり運転手さんの名前を確認しておき、後でお礼を述べるべきだったと、いまだに後悔しています…。
ともあれ、予定どおりの時刻に高知市へ到着。
高知駅前の広場では高知が誇る幕末の3志士、坂本龍馬・武市半平太・中岡慎太郎らの銅像がそろい踏みしており、訪れる者を迎えてくれますね。
なお数年後にニュースで知ったのですが、こちらの“土佐勤王党3志士像”は発泡スチロールやウレタン製で、高さが約5メートル&重さは400キロにもなるものの、台風のときには撤去されてしまうのだとか!
撤去された後には像を支えていた鉄の芯棒だけが残るそうですが、“運び出し可能な銅像”という発想が全くありませんでしたし、発泡スチロールなどでできているようにも見えなかったので、とても驚きました。
滞在中のスケジュールは、街歩きがメイン。
“高知といえば、ここ”との印象があった「はりまや橋」へも、早々に足を運びます。
よさこい節に歌われ、純信・お馬の恋物語でも知られるはりまや橋。
江戸時代初期、堀川を隔てて住んでいた播磨屋と櫃屋が互いの往来のために橋を架けたことが、その名の由来といわれています。
現在は国道に架かるコンクリートの橋に姿を変えており、その横に架かる当時の姿を模した赤い橋も非常に短いことから、札幌時計台やオランダ坂などと並んで「日本三大がっかり名所」と揶揄されることもしばしば。
しかし「はりまや橋公園」として整備された道路も含め、木漏れ日が降り注ぐ橋の周辺はとても清々しい雰囲気をたたえており、個人的にはとても素敵なところだと感じました。
というか札幌時計台やオランダ坂も、全くガッカリしなかったけどな^^;
その後の時間も、橋のすぐ東にある高知県産の木材を使った全国的にも珍しい木造アーケードの商店街「はりまや橋商店街」をぶらぶらしたり、お土産物屋で龍馬グッズを買い求めたり。
初代藩主山内一豊とその妻千代が礎を築いた土佐二十四万石の歴史ある城「高知城」の周辺を散策するのも、楽しい時間でした。
これまで一度も来たことがない、全く知らない街をあてどなく歩き回るのって、本当にワクワクします^^
食事は、高知の食が集結する屋台村「ひろめ市場」にて。
飲食店や雑貨店など約60店が並ぶこちらの市場は、“高知らしさ”が凝縮されたスポットでもあります。
実を言うと偶然目に留まって中に入ってみたのですが、市場の活気あふれる雰囲気や、食材の宝庫・高知が誇る海の幸&山の幸の数々に、思わず大興奮!
聞けばこちらは、非常に人気が高い観光スポットのようですね。
立ち寄ることができて、良かった…。
市場内のお店では、かつお料理に舌鼓。
たまたま居合わせた人たちが会話を楽しむ、温かな雰囲気も魅力です。
横に座った男性二人は、確か競輪選手だと言っていたような。
一人旅だと色々な人が話し掛けてくれて、普段耳にしないような情報が入ってくるので、退屈することがありません。
翌日の朝にはテレビで知ってずっと気になっていた、「日曜市」にも出掛けてみました。
元禄3年(1690年)以来、300年以上の歴史を持つという土佐の日曜市。
毎週日曜日の午前6時頃から午後3時頃まで開催され、高知のお城下追手筋において、全長約1kmにわたり約300もの店が軒を連ねます。
新鮮な野菜や果物はもちろん、金物・打ち刃物・植木といった幅広い商品が売られており、市民と県外からの観光客なども合わせると、1日に約17,000人もの人が訪れるそう。
思い思いに過ごす人々の流れに身を任せ、並べられた品々を興味深く覗き込みながらそぞろ歩く、ゆったりとした時間が過ぎていきます。
旅の目当ての一つであった高知名物「アイスクリン」も無事口にして、大満足!
高知の街の雰囲気を、存分に堪能することができました。
いつもの旅とは趣向を変え、余り予定を詰め込み過ぎずに観光しましたが、高知の街そのものが思っていたよりも更に魅力的だったので、街歩きに多くの時間を割いたのは正解でしたね。
念願のスポットにもたどり着いた!
そういった具合で初めての高知見物は幕を閉じたのですが、数年後、ふとネットの情報をあさっているときに、「沢田マンション」が高知駅のすぐそばにあることを知ったのです。
小学生のときに探偵ナイトスクープで存在を知り、子ども心に感銘を受けた沢田マンション。
マンションの様子だけはずっと頭に残っていたものの、高知駅からほど近い場所にあるとは盲点でした。
沢田マンションは、鉄筋コンクリート建築を専門職として手掛けたことのない言わば“素人”のご夫婦が、1971年より建設を始めた巨大集合住宅です。
増築に増築を重ねた外観から、「日本の九龍城」とか「日本のサグラダ・ファミリア」などとも呼ばれています。
このような経緯もさることながら、複雑に入り組んだ通路や外からも確認できる資材運搬用リフトなど、建物の外観・作りも奇想天外!
その独創性にすっかり心奪われてしまった私は、長きにわたり“沢マン”に恋い焦がれてきました。
それが公共の交通機関でたどり着ける場所にあるとは(私は完全なるペーパードライバーです・笑)、訪れないわけにはまいりません。
ということで別件にて愛媛まで行った際、沢田マンションを見るためだけに、高速バスで再び高知まで足を延ばしてきました。
JR土讃線薊野駅からトコトコ歩き、沢田マンションへ。
全景が見えてきて、その存在感に圧倒されながらも、念願の場所に来ることができたという感動に包まれます。
1階から4階までは入居者がいらっしゃるため、各戸プライベート部分は撮影しない…といったルールはありますが、マナーを守ればマンション内の見学も可能。
沢マングッズが並ぶ入口の部屋で挨拶をすると、オーナーさんが温かく迎え入れてくれて、見学前に割と長くお話をすることができました。
建物内を歩きながらも、ワクワクが止まりません。
“日本のサグラダ・ファミリア”との呼称にふさわしい、何とも不思議な魅力をたたえた素晴らしい建築物。
シュルレアリスムな世界に迷い込んでしまったようで、そこで過ごす特別なひと時を、嚙み締めるようにして満喫したのでした。
2度の高知旅行で、特に印象的だったもの。
それは、地元の人々との交流の時間です。
以前から感じていましたが、本当に四国の人たちは優しくて温かい!
土地の魅力に加えて、人の優しさに触れるために、足を運びたくなります。
なお沢田マンションの中にはお店もあって、そこでランチを頂いたのですが、こちらの店員さんのお人柄も素敵でしたね。
仁淀川など、まだ行ったことのない名所を紹介してもらったので、再びこの地を訪れる日も遠くはないでしょう。
その方曰く、四国の中でも高知はアクセスが良くない…とのことではありましたが、高知県は多少移動に時間が掛かったとしても、是非足を運ぶべき魅力にあふれた場所だと感じます。