世界遺産保有数世界ナンバーワンを誇る、イタリア。
オシャレな街並みやショッピングももちろんですが、数々の史跡があるという点で、歴史好きの私にとって一度は訪れてみたい国でした。
その見どころを完璧に網羅することは到底無理ですが、今回は主要都市を巡りつつ、イタリアを南から北へ縦断する旅を計画。
そのときの模様をお伝えしますので、参考にできる点などあれば幸いです。
ローマから始まる旅
最初に訪れたのは、紀元前からの歴史的建物に溢れる永遠の都・ローマ。
とにかく古い遺跡ほど大好きな私にとって、一番素晴らしいと感じたのは古代ローマの円形大闘技場コロッセオでした。
同じころの日本はまだ弥生時代だったというのですから、驚くばかりです。
その後は映画「ローマの休日」に登場するような定番のスポットを回ったのですが、ここで一つ失態を犯してしまいます…。
「トレビの泉」周辺で仮装した男性がグイッと私の手を引いて2ショット写真を撮影し、その後こちらの意に反して、半ば強引に料金を請求してきたんですね(泣)
払わなければ良かったのかも知れませんが、あっという間の出来事で、言われるがままにお金を差し出してしまいました。
実を言うと、以前に訪れた東欧の国々でも仮装した人々と写真を撮ったことが何度もあったものの、その方たちは完全なる善意の行動だったらしく、料金を請求されたことは一度もなかったのです;
そのためヨーロッパはそういうものなのだろう…と考えていたのですが、甘かったですね。
勉強になりました。
ローマを発った後は、すれ違う際にさりげなくウィンクしてくれたナポリの男性にトキメキつつ、複雑な海岸線にレモン畑が広がって美しい建造物が立ち並ぶアマルフィへ。
カプリ島にある青の洞窟ほど知られてはいないでしょうが、海底に沈むマリア像とエメラルドに輝く海面が神秘的な「エメラルドの洞窟」の景色が、印象に残っています。
その後、「テルマエ・ロマエ」でお馴染みのハドリアヌス帝が広大な別荘を建設したというティヴォリを経て、切り立った崖の上にある小さな街「チヴィタ・ディ・バニョレージョ」へ。
切り立った崖の上にあるチヴィタの街は、300メートルもの細く長い橋を渡ってしかたどり着くことができず、まさに“天空の城”とでも称するべき景観をたたえています。
近年観光地としての人気が高まっているらしく、私もイタリア旅行で「チヴィタに行った」と言うと結構羨ましがられるのですが、一方で浸食されやすいこの地は少しずつ崩れていっており、もはや生活する人もわずかしかおらず、別名“死に行く街”“滅びゆく街”とも言われています。
しかしそのような背景も含めて、チヴィタが人々を魅了する街であることは間違いありません。
街中の風景も、まるで絵葉書のように美しかったですね。
また気ままに過ごす猫の姿を、多く見掛けました。
駆け足の旅の次なる目的地は、かの有名な「ピサの斜塔」です。
ベタに遠近法を駆使した記念写真を撮影しましたが、時間の関係で塔の中に入れなかったことが心残り。
しかし斜めに傾いているという不完全な部分こそが美しく、世界中の人々を魅了してやまないというのも、何とも面白い話ですよね^^
その日の夜は、フィレンツェの丘の上に佇むオシャレなレストランでディナーを。
店の前にフェラーリが何台も停まっていたのが、いかにもイタリアという感じでした。
イケメンスタッフさんが何か話しかけてくれたけれど、何と言っていたのだろう?
やはり海外旅行に出ると、語学力がもっと欲しいと感じてしまいます。
フィレンツェでは街歩きの他に、ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」やレオナルド・ダ・ヴィンチの「受胎告知」といった数々の世界的な名画を展示する、「ウフィツィ美術館」を見て回りました。
教科書で見かけた絵画が目の前にあるというのは、中々テンションが上がるものです。
館内を全てじっくり見て回ろうとすると時間が幾らあっても足りないでしょうが、芸術作品の鑑賞が好きな方にとっては、こちらも絶対に外せないスポットと言えるでしょう。
憧れの地ベネチアから、最終目的地のミラノへ!
次の街は、個人的に最も訪れてみたかった水の都・ベネチアです。
島々に向かう船が思ったよりも高速で少々怖かったのですが(笑)、中世の家並みが迫る狭い運河を行くゴンドラや、小さな路地にまで軒を連ねる可愛らしいお店の数々は、やはりとても素敵でした。
何と言うか、本当に“画になる”街ですね。
ただゴンドラの乗船料をはじめ、物価は割高ではあるかな?
ヨーロッパの有名観光地ともなると、ベネチアに限らずですが、日本の感覚で言っても物価は安くないですね。
さて次の行き先は、街並み全体が世界遺産に登録されているベローナです。
どこを見回しても非常に美しく魅力にあふれた街ですが、シェークスピアの悲劇「ロミオとジュリエット」の舞台となった街として名高く、ジュリエットの家も実際に残されており、私が訪れた際にも多くの観光客でにぎわっていました。
ただ私はジュリエットの家よりも更に、古代ローマ時代の紀元1世紀に建造されたという「ボルサーリ門」や、紀元後1世紀に建造されたという円形闘技場「アレーナ・ディ・ヴェローナ」に心を奪われました。
特にアレーナ・ディ・ヴェローナは非常に古い時代の建物でありながら、信じられないほど保存状態が良く、現在は毎年夏に開催されるオペラ音楽祭にも利用されているとのことで、本当にびっくり!
ちなみにアレーナ・ディ・ヴェローナの外観は、冒頭で触れたローマのコロッセオを少し小さくしたような感じです。
恥ずかしながら私はこの建物の存在自体を知らなかったのですが、これほど価値のある建物が今も街中にさりげなく佇み、変わらず人々の暮らしに馴染んでいるという事実に、世界遺産保有数世界ナンバーワンに輝くイタリアという国の、凄みを感じざるを得ません。
いつか機会があれば円形闘技場内に足を踏み入れ、音楽など鑑賞してみたいものです。
続く旅の最終目的地は、ファッションの都ことミラノです。
この街にもシンボルであるドゥオモがそびえるドゥオモ広場を中心に、19世紀のレトロなアーケードが美しい「ヴィットリオ・エマヌエレ2世ガレリア」などの見どころが数多くあります。
最後に訪ねたミラノは、イタリアの他の都市とはどことなく雰囲気が違っていて、より現代的で洗練された印象を受けました。
ドゥオモの内部も荘厳な雰囲気で、建物自体のスケールの大きさも含めて圧倒されてしまいましたね。
以上、旅行の日程を詰め込みまくるタイプの私らしい、盛りだくさんのイタリア縦断の旅について書き留めてみました。
ただこれだけ多くのスポットを回ってみても、イタリアの素晴らしさのほんの一部に触れたという感じなのでしょう。
一つひとつの街にもっと時間を割いて滞在すれば、更なる驚きや出会いがあるに違いありません。
また具体的な例を挙げてみても、豊富な水を利用して装飾で趣向をこらした噴水が数多く見られるティヴォリのヴィッラ・デステ(エステ家別荘)や、奇妙で独創的な彫像の数々が迎えてくれるボマルツォの怪物公園など、興味があるのにカバーできていない魅惑の観光地が幾つも存在しています。
日本から遠く離れたイタリアの地を巡るには時間とお金の余裕がもっと必要という現実的な問題はありますが、まだ見ぬスポットもきっと訪れたいという願いを励みにして、一日一日をしっかり歩んでいこうと考える今日この頃です。