アジア

意外と身近な大都会!中国・上海の活気に触れる

ある日のこと、何気なく眺めていたテレビで中国・上海のニュースが流れており、現地レポーターとして学生時代の友人が映っていました。

上海を拠点に働いている知人が他に2人いることもあり、急速に「上海」という街が身近に思えてきます。

改めて調べてみると、中国の東側に位置する上海は日本から飛行機ですぐ。

旅行代もそう高くないことが分かったため、早速出掛けてみることにしました。

国際色豊かで魅力にあふれる上海の街!

飛行機に乗り込み、約1時間半。

早くも上海に到着です。

私は地方在住ですから、飛行時間は東京に行く場合と同じくらい。

旅行代金は上海旅行の方が安いほどで、思ったより気軽に足を運べる場所なのだと驚きました。

宿泊ホテルは、インターコンチネンタル

街の中心部からは随分離れているのですが、接客は良いし、何より朝食の内容が素晴らしすぎて大満足!

日本のホテルで提供されるようなお馴染みのメニューに加え、中華粥や点心の数々も好きなだけ食べられるようになっており、朝食のためだけにまたこのホテルに泊まりたいとすら感じました(笑)

上海の中心までは、ホテルで手配してもらったタクシーで移動。

距離はあるものの、料金が日本に比べるとかなり安いため、躊躇なく利用することができます。

一方で上海は地下鉄などの利用方法も分かりやすく、移動に際して不自由を感じることはありませんでしたね。

到着した市街地は、本当に賑やか!

街の雰囲気は同じ中国でも北京などとは全く違う印象で、海外の方も多く、これぞ“国際都市”というような活気にあふれています。

日本にはない海外のブランドが出店しているため、ショッピングもすごく楽しい。

観光というよりも、ちょっとショッピングや街歩きをしに…という感覚で、今後も訪れたい都市です。

次の日は朝から少し足を延ばして、江蘇省の南部・上海と南京のほぼ中間に位置する「無錫(むしゃく)」の街へ向かいます。

日系も含めて多くの外資系企業が進出し、総合工業都市としてめざましい発展を遂げる一方、南に中国五大湖のひとつである太湖を臨む、長江流域「江南」の美しい古都として知られる無錫。

常住人口約643万人と聞くと、かなりの大都会に思えるのですが、街の様子はどこかのんびりとしていて、心が癒されます。

ここでは蠡湖(れいこ)という名の湖を遊覧船で渡り、「西施荘」なるスポットがある小島へ。

島に降り立つと、“中国四大美人”として名高い西施の像が出迎えてくれます。

西施(せいし)・王昭君(おうしょうくん)・貂蝉(ちょうせん)・楊貴妃(ようきひ)の4人が挙げられる、中国四大美人。

それぞれが、日本でも割と知名度の高い人物ですね。

ちなみに魯迅の代表作ともいえる短編小説の一つ「故郷」に登場するヤンおばさんは、日本語訳では“豆腐屋小町”と紹介されているものの、原文では“豆腐屋西施”と表記されているのだとか。

それほど西施という人物は、中国において美人の代名詞になっているのでしょう。

そんな西施ゆかりの地というこちらの島は余り広くありませんが、美しく整備された庭園や、いかにも中国!という感じの小さな舞台が設えられていて、良い雰囲気。

やはりせっかく旅行するなら、その地ならではの文化が感じられる観光地も巡りたいので、満足度が高かったです。

その後、古くから「魚米の里」(物産豊かなところ)としても名高い無錫のランチを堪能し、お次は上海を代表する観光スポット「外灘(ワイタン)」へ。

川の向こう側には、アジアで1番&世界でも3番目に高いというランドマークタワー「東方明珠塔」が見えますね。

こちらの景色は旅番組やガイドブックなどはもちろん、ニュースでも度々見掛けることがある、上海の象徴的な街並みだと思います。

東方明珠塔の周りにも、個性的なデザインの高層ビルがたくさん!

その様子を眺めるにつけても、上海という都市のエネルギッシュな魅力が伝わってくるようです。

対して私が立つ川沿いのデッキのような場所「外灘遊歩道」の辺りには、西洋的な趣の歴史的建築物がズラリと並んでいますね。

そもそも外灘は、1843年11月17日、アヘン戦争終結時に結ばれた南京条約によって上海港が外国向けに開港されると、1845年のイギリス租界を皮切りに、フランスやアメリカといった列強各国の租界地(中国の主権が及ばない外国人居住区) が設けられるようになった場所。

そして外灘の建築物は、その租界時代…特に1920年代から30年代にかけて、各国商人や金融機関がこぞって建てたものといいます。

租界は1945年の第二次世界大戦終戦以降なくなったのですが、当時の建築は今もなお荘厳な風格と共にこの地に残り、外灘の歴史を今に伝えているわけですね^^

シンプルにオシャレな建築物を眺めたり、記念撮影に興じたりするだけでも楽しいエリアではありますが、その歴史的な背景にまで思いを馳せると、更に感慨深いものがあります。

きっと夜に訪れたなら、昼とはまた違った顔の素晴らしい景色を堪能することができるのでしょう。

以前中国の桂林を旅した際に、現地の方から「政治は北京、雨は桂林、夜は上海…」みたいなフレーズを教えられたことが、ふと思い出されます。

上海は、夜が似合う街・夜が美しい街ということですね。

なおひとしきり洗練された空気を味わって、川沿いのとおりから一本中に入ってみたところ、そのあたりにも古い建物がたくさんあり、興味深かったです。

ほんの少しだけ観光地色が薄れるのが、また良い感じ。

建物の一室をリノベーションして作ったのであろう、若いデザイナーが営んでいるようなショップも見受けられ、刺激的でした。

豫園にて古き良き上海の文化に触れる

旅の最後には、明代の造園師・張南陽が手掛けた江南屈指の古典庭園「豫園」を訪れます。

こちらは外灘エリアとは打って変わって、素朴且つ非常に中国らしい街並みに出会うことができる観光スポットですね。

名石太湖石と豊かな水、緑に囲まれた2万㎡もの幽玄たる庭園に、明代・清代の40近い建築物は、見応えたっぷり!

また豫園の周りに広がる古くからのマーケット「豫園商城」は、多くの観光客でにぎわう言わば“仲見世”として機能しており、こちらに軒を連ねる雑貨店でお土産などを買い求めるのも、楽しい時間でした。

特に豫園商城で見つけた中国コスメのショップは、とても気に入りましたね。

パッケージが“中国レトロ”なタッチで物珍しいうえ、価格はお手頃、それでいて物も良く、バラマキ土産に重宝しました。

ちなみに私が上海を訪れたのはほんの2~3年程前の話なのですが、その後日本において急速に中国コスメの注目度が上がったので、また旅行する機会があれば、もっと化粧品を買って帰りたいです。

そんな豫園で唯一心残りだったのが、天気が悪すぎたこと。

急な豪雨に見舞われ、傘を購入したものの景色をゆったり眺める余裕などなかったので、次回の上海旅行では豫園の観光にもっと時間を割くつもりです。

そうこうしているうちに、あっという間に上海旅行は幕を閉じたのですが、期待以上に素敵な時間を過ごすことができました^^

中国は割といろんな都市を巡ってきたものの、上海や香港は街の空気感がちょっと違っていて、旅慣れていない方でも観光しやすい気がします。

ただ20年ほど前に上海を訪れたという友人は、街が余り清潔ではなく印象が悪かったと話していたので、近年更に整備が進んだのかも知れません。

いずれにせよ新旧の文化が入り混じる上海は、とても魅力的な大都会でありながら、その気があればすぐに足を運べる都市だと分かったので、今後も折に触れて旅行したいですね。