アジア

川下りだけじゃない!中国・桂林の多彩な見どころを紹介

中国南部に位置する、カルスト地形が生んだ山水画のような風景で有名な都市「桂林」

以前の記事では主に、旅のハイライトである「桂林漓江下り」に焦点を当てて旅行記をまとめましたが、桂林には他にも数多くの見どころが存在しています。

今回は紹介しきれなかった観光スポットと街や人々の様子について、具体的にお伝えいたしますので、是非お付き合いください!

象鼻山と蘆笛岩を見学

訪れる者を山水画の世界へ誘う桂林漓江下りや、情緒あふれる漓江沿いの街・陽朔の散策を楽しんだ後は、次なる目的地の「象鼻山(ぞうびさん)」へ。

象鼻山はその名のとおり、象が漓江に鼻を入れて水を飲んでいるように見えるスポットのことで、唐時代には既に有名な観光地として知られていたそうです。

水面からの高さは55m・全長108m・幅100mを誇る巨大な象の姿は、3.6億年前の海低沈積岩によって生み出されたもの。

現在も桂林山水のシンボルとして、大いに親しまれています。

実際に目の当たりにしてみても、岩肌の色や質感は本物の象のようで、また水に浸かる鼻部分の形状が結構はっきりしており、見入ってしまいましたね。

全体的に丸っこくむっちりしたフォルムも、愛らしい象を連想させます。

周囲の景観も素晴らしくて何枚も写真を撮っていると、一人の中国人女性が近づき、「少数民族の衣装を身に付けて、象鼻山をバックに撮影しないか」と提案してきました。

それでは是非旅の思い出に…とお願いしたところ、鮮やかな赤に黄・緑・白のストライプが映え、綿玉のような飾りも目を引く丈の長いドレスを着付け始めた女性。

仕上げに豪華な金色の冠と揺れ動く飾りが垂れ下がった巨大な首飾りを添えて、完成です。

着付けを終えた女性は衣装さんからカメラマンに早変わりし、何通りものポーズを指示してきました。

撮られる側の気分を乗せるのも巧く、まさに“プロ”という印象。

料金は衣装代・撮影代に写真2枚を渡してくれて300円程度でしたから、大満足ですね。

出来上がった写真を見ると、そこにはドレスをなびかせ、どや顔で佇む私の姿が(笑)

冷静になると少々恥ずかしいものがあるものの、旅の良い思い出です。

なおこの出来事をきっかけに、ベトナムのアオザイなど、現地の衣装を着て写真撮影に臨むことが習慣となりました。

続いては、桃花江のほとりに佇む巨大な鍾乳洞「蘆笛岩(ろてきがん)」の内部を見学。

岩洞の深さ240m・遊覧コース500mの規模を誇るこちらの鍾乳洞は、やはり唐時代から多くの人々が訪れている観光スポットで、桂林鍾乳洞の代表作とも言えます。

足を踏み入れると、そこには奇怪な形をした石灰岩の数々が。

圧倒的な自然のパワーに驚かされますが、更に印象的だったのは鍾乳洞の“見せ方”です。

日本とは趣が異なり、ライトアップの仕方がとにかく派手!

青・オレンジ・緑など、かなりはっきりした色で照らされている洞窟内部の様子には、度肝を抜かれてしまいました。

スーパードンキーコング2のステージ「こおりのみずうみ」をイメージしていただければ、近いのではないでしょうか。

人の手がかなり加わっていると容易に理解できる蘆笛岩は、巨大な地下宮殿のようにも見えます。

しかし、目を見張るほどのライトアップで終わりではありません。

遊覧コースの最奥部までたどり着くと、そこでは定時のイルミネーション・ショーが繰り広げられていたのです。

華々しいショーの終わりに足元へ埋め込まれた照明が一斉に光ったときには、腰が砕けそうになりましたね^^;

こういった展示方法の違いは、やはりその土地土地の文化によるところが大きいのでしょうか?

夜の桂林を堪能

蘆笛岩を後にして、道中立ち寄ったホテルで食事をいただきます。

食堂の横にあった土産物店では、ピンクのチャイナドレスを購入。

値切ると結構安くしてくれたので、記念に買い求めてみました。

日が落ちてからは観光バスに乗り込み、先ほどゲットしたチャイナドレスに身を包んで、夜の桂林を満喫できるスポットへ。

ちなみにチャイナドレス姿をバスの運転手さんが褒めてくれたのですが、こちらの方が椎名桔平さんを更にはっきりさせたような男前で、ドキドキしてしまいましたね^^;

ベトナムも近い桂林に暮らす人々は、概して顔立ちがはっきりしている方が多いと感じます。

個人的には、タイ人に似ているようにも見えました。

やはりこれほど国が広いと、地域による顔立ちの違いが顕著なのかも知れません。

ほどなくしてバスは、桂林四湖のうちの一つ「杉湖」のほとりに2つ並んでそびえたつ、「日月双塔」に到着。

ライトアップされた銅と瑠璃瓦の塔は、とても中国的であると同時に、何とも幻想的な雰囲気を醸し出しており、思わず見とれてしまいます。

ナイトクルーズに繰り出せば、そこには煌びやかに輝く桂林の街が。

風光明媚な昼の風景とは、また違う街の表情を堪能することができますね^^

ただ船上で他の観光客に呼び寄せられて近くまで歩いていくと、「スリに狙われていたよ」とのこと。

前回の桂林の記事においても、陽朔の街でスリには十分気を付けるよう注意喚起されたことをお伝えしましたが、やはり多くの人々で賑わう観光地には、一定のリスクも存在するのでしょう。

中国に限らず、全ての旅行先で肝に銘じておきたい部分ですね。

ともあれ、大自然が造り上げた山水画を思わせる絶景と併せて、人が築いた豪華絢爛な街の様子にも触れることができ、大満足でした!

そうそう、それと桂林の旅では生まれて初めて「パンダ」と対面することができましたよ^

場所は、七星公園

実を言うと、それほどパンダに興味があったわけではないのですが、実際に間近で動いているのを目にすると、びっくりするくらい愛らしくて!

毛の白い部分が汚れているのか、ちょっと赤茶けているのも気にならないくらい(笑)、パンダという生き物に魅了されてしまいました。

なるほど世界中の人々が夢中になるのも、納得できるキュートさです。

なおこちらの公園内でもガイドの方から、「あ、横にいる人はスリなので、離れてくださいね」と指示されました^^;

…と、観光スポットに関する記述はこのくらいなのですが、桂林の旅行事情についても少し記しておきましょう。

多くの方が気になるであろうトイレに関しては、“ドアなし”に出会うことはありませんでした。

しかしながら中心部から離れたエリアにおいて、手入れされていないわけではないものの、どうしても自分の価値観と照らし合わせて使用が難しい形式のトイレに1度だけ出会いましたね。

私はこういった“環境の違い”に対して割と融通が利く方だと思っていたのですが、こちらのトイレだけはどうしても利用できず…。

それゆえ衛生面が気になる方は、できるだけ街中でこまめにトイレを済ませておくと良いでしょう。

ちなみに買い物はほとんどしなかったのですが、中国国営の宝石店にて猫目石のネックレスをゲットしましたよ。

後は謎の笛とか(笑)、物珍しいものと出会える印象は残っています。

気候は至って温暖。

5月のはじめながら、終始半そでで過ごせました。

以上2記事にわたり桂林についてお伝えしてまいりましたが、観光都市ということで街全体が巨大なアミューズメント・パークのように思える瞬間もあり、その魅力は無限だと感じました!

日本の様々な文化の源流を思わせる、中国文化の一端に触れることができた点も興味深く、また楽しかったです。